矯正用 インプラント、 骨ネジ、マイクロスクリュー、アンカープレート、インプラントアンカー
スケルタル アンカレッジ(骨固定)とは?


ここでは、矯正治療におけるインプラント、骨ネジミニスクリューについて ご説明します。

インプラント矯正が出てきた背景とは?矯正医の苦悩から?

歯を動かすときはどうしても作用、反作用の原理から抜け出すことは出来ません。
抜歯を用いて歯を引っ込めるのは、綱引きで前歯と奥歯と引き合うのです。

作用とは動かしたい歯が動く作用のことです。反作用とは動かしたい歯を動かすために杭となる歯が動くことです。
インプラント矯正は作用反作用の原理から抜け出した技術です。

例えば、上顎前突(出っ歯)を抜歯で治療する場合を例にして説明します。
多くの場合、糸切り歯の後ろの歯(第一小臼歯)を抜歯して上の前歯を引っ込めたいわけですが、矯正治療はその方法として前歯と奥歯がワイヤーを介してで引き合います。

すると前歯が引っ込みますが、実は奥歯もそこそこ前に動いてしまいます
せっかく歯を抜いたわけですから、本当はその抜歯スペースを全て上の前歯を引っ込めるように使いたいわけです。
ところが、 実際は抜歯スペースの6割から9割程度しか前歯が引っ込まない事が多いのです。

この奥歯が前方に動いて計画通りに前歯が引っ込まない(出っ歯が治りきらない)事が、いつも矯正歯科医の悩みの種でした。

この杭となる奥歯の代わりになって、動かないものはないか?
ということで杭(奥歯)の代わりに使われるようになったのが純チタン製のネジ=インプラントです。
このインプラントを用いた矯正をインプラント矯正といっています。
ただし、インプラントは魔法のネジではありませんので、十分に良く考えて使う必要があります。

榎本式骨ねじドライバーNEWS
骨ねじタイプのインプラント矯正用のドライバーをケイセイ医科工業に特注し、榎本式骨ねじドライバーを作りました。
これによって、口蓋骨ネジがさらによくなりました。
この口蓋骨ネジは主にガミースマイルと出っ歯の改善に用います。

口腔外科、矯正歯科の先生方へ
形成医科工業で特注ではなく、ちゃんとした正規の製品としてある(TAS−E)そうなので、興味のある先生はケイセイ医科工業にお問い合わせください。長いドライバーとこの短いドライバーがあればほとんどの所にインプラントが可能です。使い方はクリニックの方にお問い合わせください。

最近は多様な場所に骨ねじを打ち込む関係で機械(デンタルインプラント用のコントラ)を使う場合もあります。スクリュータイプが増えた結果、プレートタイプの頻度がかなり少なくなっています。

利点

1.インプラント矯正は、患者様に装置の使用(患者様にとっては苦痛)の協力を要請しなくてよい。

従来の矯正治療では、患者様の24時間の協力がないと治療技術的に大幅に歯を動かすことが出来ませんでした。例えば、ヘッドギアー(矯正の帽子とかいわれるもの)を24時間使用してもらうのは日本の現実としてはほとんどの患者様が困難なので、治療技術的な限界が生まれます。もし、患者様がもっと簡単に使用してもらえる装置があればという思いが、インプラント、骨ネジを矯正用に転用させたのだと思います。骨ネジを用いると、患者様の協力の有無にかかわらず、24時間装置を使用しているのと同じなのです。

骨ネジタイプ骨ネジタイプ (中央の点)
プレートタイプ
プレートタイプ

2.インプラント矯正は、歯の移動効率が高く治療期間を短くできる。
1番と関連しますが、骨ネジが24時間効いている関係で歯に持続的な力が掛かり、移動効率が高まります。その結果、全体の治療期間の短縮に役立つ。

3.インプラント矯正は、必要に応じて解剖学的限界まで歯の移動が出来る。
1番と関連しますが、治療技術的な限界がなくなり、骨の構造的な限界(解剖学的限界)まで歯を動かすことができます。
例えば、ガミースマイルの改善などは従来の治療法では困難を極める治療でしたが、
骨ネジを使うことによって劇的な改善が望めます。

4.インプラント矯正は、患者様の本来持っている美しさを十分に引き出せる。

2と3の結果、治療技術的な限界がなくなるので、今までのような妥協的な治療目標ではなく、個々の患者様の最も好ましいと思えるところまで歯を持っていける。そのため、時間的な制約を除けば患者様の本来持っている美しさを引き出せる。

5.インプラント矯正は、歯を抜く可能性を下げることができる。
3と関連しますが、解剖学的な限界まで動かせるので、歯を抜かなくてよくなる可能性の幅を広げられる。ただし、骨ネジを魔法のネジではありませんので、解剖学的限界を超えることはできません。
この点をよく理解して頂く必要があります。

6.インプラント矯正は外科併用矯正治療を希望しない患者様の場合、手術回避に役立つ。(特に出っ歯の場合)
2と関連しますが、解剖学的な限界まで動かせるので、手術回避の可能性の幅を広げられる。
特に、出っ歯の場合は適応範囲が大きく結果も良好です。(鼻の低い日本の出っ歯の治療)
ただし、 受け口はインプラント矯正で手術回避で治療した場合は、オトガイが尖ってしまってかえって受け口の印象が強くなる可能性があります。
この点は症例によって異なりますので、詳しくはご相談ください。

7.インプラント矯正は左右非対称な治療にも対応可能
矯正歯科の治療は非対称な治療が苦手です。
ところが、インプラントの位置はわりと任意に設定可能なので、左右非対称な移動も可能です。
これによって、非対称な歯がない所の矯正等にも応用可能です。

8.インプラント矯正は顎変形症手術の単純化が可能(保険の制約上すべて自費になります。)
顎変形症の術前矯正治療にお
いて、術前矯正の幅が広がり、手術の範囲を小さくする事が出来る可能性がある。(例えば、非対称の顎変形症の上下顎移動術を下顎単独手術にすることにより、リスク軽減、)

欠点

1.外科処置を受けなければならない。
この場合、プレートタイプと骨ネジタイプとではかなり外科処置の大きさが異なります。

2.場合によって膿むことや脱落することがある。

3.部位によっては違和感がある。

4.治療終了後、再び外科処置を行ってとる必要があるタイプもある(プレートタイプ)。

5.大きな歯の移動を望むといくら移動効率がよくても治療期間が延びる(欠点ではない?)。

 

プレートタイプと骨ネジタイプの比較

1.外科処置
骨ネジタイプは、ほとんど大した事はなく歯を抜くより楽です。
ほぼ、麻酔に5〜10分程度、挿入に15〜20分程度の時間で処置可能です。
また上顎口蓋正中骨ネジの場合、術後出血はほとんどなく、 術後の疼痛も抜歯よりは少ないので、痛み止めを飲まない患者様がいるほどです。
下顎の骨ネジの場合は、上顎と比べて痛み、出血がやや大きい傾向があります。
プレートタイプは親知らずを抜くぐらいの覚悟と時間(1時間程度)は必要ですが、いろいろな歯の移動に使える幅の広い適応が魅力です。

2.膿む可能性

部位によってとなりますが、おおむね口蓋の骨ネジは膿む可能性は多くはありません。
プレートタイプはやや膿む可能性が高くなります.

3.治療後、装置の除去について

プレートタイプは、治療終了後の除去は簡単ではありますが、麻酔、切開と縫合は必要となります。
骨ネジタイプ無麻酔で除去可能です。(それだけ取れやすいともいえます。)

4.装置の安定性、堅固性
プレートタイプは骨ネジ2〜3個で止まっていますので、まず取れることはありません。
それに対して骨ネジタイプはやや取れやすい傾向があります。(約5%〜10%程度)
その特性を利用して骨ネジタイプはほとんど問題なく挿入できますので、何回か必要に応じて打ち直したり、同時に何個も植立することがあります。

 


 



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