治療の基本的な考え方
 
 
 
  このページを読まれる方に
 

顎変形症(手術併用矯正治療)の治療の第一の目的は歯と咬み合わせの改善です。
この点が美容の改善を主目的とする美容外科手術とは異なります。
副次的には外見的な美しさも十分に得られますが、美容を唯一の目的とする治療ではなく、
外科手術による歯、歯の周囲の組織、咬み合わせの機能回復の結果によって、
外見的な 美しさも得られると考えます。
下顔面の骨格的な変形の多くは治療の対象になります。

顎変形症(手術併用矯正治療)の手術はご家族の同意が必要になります。
また、手術はバーチャルではなく本物です。最低限のリスクに対する理解と覚悟が必要です。

これらの手術は顎変形症の代表的な手術を示していますが、全てではありません。
また、解説事項、内容は術者、施設間で異なることがありますので、御注意ください。
あくまでも、この解説は私見ですのでご注意ください。

当科依頼の顎変形症手術は、原則として患者様の安全とQOL向上の為、手術後に上下の顎を針金で結び付けてしまう事はしません。(する必要がないのです。)
これによって手術後の危機的な問題(気道閉塞等)はほとんど回避されます。
その理由は当科が用いる顎変形症手術用の特別な装置(外側骨片の位置復元装置)はとても精度が高い(しかし、取り扱いと製作が大変)ので、その装置の良さを生かせる術者と組んだ場合、顎間固定というごまかしは必要ありません。 ただし、手術時間は倍ぐらいに長くなります。
当科の見解では、手術時間が長くなる問題よりも顎間固定をしない安全性と快適性、さらに術後矯正が短くなる方がずっとよいと考えます。

当科依頼の顎変形症手術では、十分な量の自己血貯血を行っています。貯血とは、手術時に出血する分を輸血するために自分の血を予め貯めておくことです。
この貯血を行うことによって他人の血液を混ぜる可能性が下がりますので、感染症(未知の感染症等も含む)の危険性が下がります。
現代の一部の顎手術では貯血を不必要とする意見もありますが、当科では大出血時の備えとして推奨します。
患者様には貯血際にご不便をかけ、ご不快感にするのは不本意ですが、患者様の安全性(患者様に他人の血を輸血する可能性を可能な限り少なくする)を重要視する必要が医療機関にはあると考えます。
貯血は何回かに分けて行うために、約1ヶ月ぐらい前から,2〜3回程度病院に通う期間が必要です。
また、貧血の場合、貧血の治療を行わないと貯血できませんので、手術が少々延期になるがあります。若い女性に多いので、気を付けましょう。
その他の疾患の場合も手術の障害になる事がありますので、注意が必要です。

大事なことですが、シェーマ通りには手術はいきません。シェーマは概念でしかありません。顔面の骨は予定線や、イメージの通りには、切り貼り出来ません。手術で達成できなかった精度的な部分を矯正でカバーする必要がでてくるのです。矯正を勧める医療機関で手術をしましょう。顎変形症は矯正治療が必須です。

津山部長と榎本矯正歯科部長当科では十分な協力体制が取れ、経験、知識も十分にある下記の機関に手術をお願いしております。
三井記念病院 口腔外科  
埼玉医科大学 口腔外科
山梨大学    口腔外科
東京大学    口腔外科
東京医大    口腔外科 

矯正医が顎変形症手術に立ち会わなければ、ある程度、精度は悪くなってし可能性が多くなるのです。
そこで、当科では矯正医が手術にメインオペレイターとして入室し、咬合の確認し、目標とする咬合の達成度を高めるように努力しております。(残念ながら健康保険では評価されていません!)
もちろん、現場は矯正医の細かい骨片干渉のチェックや、安全性と精度のバランスをめぐって口腔外科医と矯正医の限りなく言い合い?に近い議論をしたりで長くなります。
その結果口腔外科医からはちょっと(かなり?)嫌がられますが仕方がありません。
ちなみにほぼ丸1日休日を返上して、手術の患者様だけのために空けています。
つまり、矯正医の執念のみです。

当然のことですが、口腔外科の先生は矯正歯科の先生ではありませんので、手術中の不可避な誤差が術後矯正治療の大きな問題なのか、たいした問題ではないのかを正確に判断することは出来ません。
大きな問題になる誤差がなければ、術後矯正歯科治療は特に長くなりません。
逆に問題となる大きな誤差があれば、矯正治療は魔法ではないので、その分術後矯正治療も長くなり、仕上がりも妥協的なものになっていき、患者様のご不満も高まります。

患者様のお気持ちとして手術が終わったら早くはずしたいのは当然ですので、それを毎月、治療のたびに迫られる矯正医も手術がうまく運んでもらいたいと願って止まないのです。

 
 
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